大学で学ぶこと、一つひとつ解説学問ナビ

学問ナビ表示
食物学家政

食物学

食物学で学ぶこと

現在は、SNSや動画プラットフォームなどを通じて「食と健康」に関する膨大な情報が行き交う、空前の健康志向の時代と言われています。一方で、アレルギー物質の表示ミスや食品への異物混入、ノロウイルスなどによる集団食中毒、さらには新たな人獣共通感染症のリスクなど、食品の安全や信頼を脅かす課題も次々と発生しています。このように「食と健康」に関するニュースは、良くも悪くもわたしたちの周りにあふれています。

そして私たちが健康に過ごすために必要なのが、栄養バランスのとれた食事です。また食事は、単に栄養を摂取するだけでなく、美味しさや、見た目、共に食べる楽しさも大切です。こうした栄養と調理の両面から、人間の「命と健康」を支える食べ物について科学的に研究するのが「食物学」です。そして「食物学」は大きく、「食品学」、「調理学」、「栄養学」に分けられます。

「食品学」では食品を安全に取り扱い、厳格に管理する方法を学ぶ「食品衛生学」、食品を美味しく安全に長持ちさせる技術を研究する「食品加工学」、味噌やヨーグルトのような発酵食品や、身近なカビなどの微生物の働きを科学する「食品微生物学」、最新の冷凍・密封技術など食品の品質を保つための「貯蔵学」などがあります。

「栄養学」は、各食品に含まれる栄養素と、栄養が人の身体や健康に与える関係について学ぶ分野です。たとえば「栄養学」の中の「食生態学」では、現代の日本人のリアルな食生活を調査したり、偏食や孤食などの社会問題について考えたりします。「栄養指導論」では、実際に人々へ栄養指導やカウンセリングをする際の効果的な方法について学びます。「臨床栄養学」は、栄養バランスと病気との関係や、生活習慣病の予防につながる正しい食生活、医療現場における病気の際の食事療法(栄養管理)について学びます。

「調理学」では調理方法を理論と実践から学ぶ分野です。「調理実習」を通しておいしい料理を栄養バランスよく作る方法を学ぶだけでなく、「調理化学」では、熱に対する変化や冷凍時のメカニズムなど各食品の特性や、調理(加熱や味つけ等)によって栄養価や食感がどう変化するかを科学的に学んだりします。

日々の食事は、生活習慣病をはじめとする多くの病気と深い関連をもっており、また、超高齢社会における高齢者の栄養はどうあるべきか、子供の肥満やアレルギーの増加など、ライフステージ(年齢)に特有の問題もあります。そして学校教育においても、食育基本法が成立して以降、「食育」は教育の重要な柱として定着しています。これは、小さいころから家庭だけでなく学校教育を通して食事や栄養についての正しい知識をもつことで、国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことを目的としており、それだけ日々の理にかなった食事と栄養が、私たちの未来にとって大切であることを示しています。

学部・学科選びのヒント

「食物学」を学べるのは、家政学部系の食品学関連学科や教育学の中の生活系の学科、「食品学」は農学部系の食品学、醸造学関係の学科になります。また、医師の中には健康と栄養を専門としている研究者もいます。

「栄養学」は栄養学部栄養学科で学びます。栄養士や管理栄養士の資格取得を目指す人は、それぞれの養成カリキュラムがあるかどうかを確認して学校を選びましょう。

大学検索

目次:学問ナビ