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自然人類学系
自然人類学で学ぶこと
学部・学科選びのヒント
自然人類学は、アプローチによって学べる学部や学科が異なります。アプローチできる学問としては、医学、リハビリテーション学、スポーツ・健康科学、生物学の中の動物学(特に霊長類の研究)や遺伝学、教育学、児童学などが考えられます。ですから、自分は自然人類外のどの領域に興味があるかを考えて、関連する学部・学科を選びましょう。
自然人類学は、アプローチによって学べる学部や学科が異なります。アプローチできる学問としては、医学、リハビリテーション学、スポーツ・健康科学、生物学の中の動物学(特に霊長類の研究)や遺伝学、教育学、児童学などが考えられます。ですから、自分は自然人類外のどの領域に興味があるかを考えて、関連する学部・学科を選びましょう。
私たち人間にとって「人間とはいったい何なのか?」という問題は、最も根源的な問題のひとつです。その問題について内面から考えるのが「哲学」であり、人類に共通する、外に表れた形質から考えるのが「人類学」です。ヒトを「人間」というときには、人格的な面を含めていい、「人類」というときには、生物としての「ヒト」を指します。
さて、何がヒトをヒトたらしめており、猿とはどこが違うのでしょうか?2本足で歩くからでしょうか?火を使うからでしょうか?人類学では、人類のあらゆる特徴について、生物としての側面から研究する自然人類学と、社会や文化の特質から研究する文化人類学に分けられます。
さらにここで取り上げる自然人類学は、研究内容によっていくつかの領域に分かれます。たとえば「キネシオロジー(運動機能学)」は、2足歩行や指の使い方など、人類の動きの機能に注目してそのメカニズムの解明を目指します。「オークソロジー(成長学)」は、生まれたばかりの赤ん坊はどのようにしてはいはいから伝え歩き、そして歩けるようになるのか。あるいはどのようにして言葉を獲得していくのかなど、人としての成長を考えます。逆に「加齢学」では老いの過程について考えます。「ホミニゼーション(ヒト化)」は、人類が他の霊長類から分かれてどのように人類になっていったかを探ります。
アプローチの方法としては、現在の人類の解剖や生理、発育、機能、生態、DNAについて研究したり、人種による体の違いやDNAを調査べたりするほか、化石(特に歯や骨)から過去の人類について研究するなどの手法があります。また、人類に近い高等霊長類を研究することで人類の特徴を明らかにしようとする方法も盛んです。
人類学は冒頭で述べたように「人間とは何か」について考えるという哲学的な側面があると同時に、私たちの現代や未来の社会とも無関係ではありません。生活・社会環境と脳や情緒面を含む身体の関係を明らかにすることで現代の子どもの心身の発達について考えたり、医学と融合して難病の治療法開発や少子高齢化問題の対策に役立てられたり、人の脳のはたらきや運動機能を解明することで人工知能やロボット研究に貢献するなど、さまざまな学際的研究が行われています。