大学で学ぶこと、一つひとつ解説学問ナビ 学問ナビ表示経済学社会科学 経済学系 経済学で学ぶこと 「誰もが豊かで安定した生活を送れる社会を創るには、どうすればいいのか?」――この人類共通の問いに、富の生産・流通・分配という視点からアプローチするのが経済学です。 地球上の資源やエネルギーは限られています。それらをどのように組み合わせれば最も有効に活用できるか、そして、その結果生まれた富を社会へどう分配すれば、人々が意欲的に働くことができ、格差や貧困のない持続可能な社会が成り立つのかを追究することが、経済学の大きなテーマです。 歴史を振り返ると、物の生産や価格の決定を市場の自由に委ねることで経済を活性化させようとしたアダム・スミスや、国が計画的に生産と分配を管理することで貧富の差をなくそうとしたマルクスなど、さまざまな思想が提示されてきました。しかし、現実の経済は複雑であり、どちらか極端な理論だけでうまくいくものではありません。現代の多くの国々は、自由な市場経済を基本としつつも、国や中央銀行(日本の場合は日本銀行)が税制や金融政策を通じて景気をコントロールする仕組みをとっています。 経済学の研究アプローチは、伝統的に以下の3つの分野に大別されます。 理論経済学: 経済活動の基本的な仕組みを解き明かす分野です。消費者や企業という個別の視点から価格決定のメカニズムを追究する「ミクロ経済学」と、国全体の景気や雇用、物価の変動などを大きな視点で捉える「マクロ経済学」があります。さらに、実際の経済データを用いて理論を検証する「計量経済学」があります。 経済政策論: 理論に基づいて、政府や自治体が実行すべき具体的な政策をデザインする分野です。所得格差を是正するための税制(累進課税など)のあり方、金利や為替をコントロールする金融政策、デジタル通貨やFinTech(フィンテック)への対応、さらにはエネルギー・交通・都市開発など産業別の政策まで、多岐にわたる課題を扱います。 経済史・経済思想史: 過去の経済発展の歴史や、歴代の経済学者たちの思想を研究する分野です。現実の経済は理科の実験のように研究所で効果をテストすることができません。だからこそ、社会の多様な変化や人間の心理が複雑に絡み合った「歴史」に学ぶことが、現在の、そして未来の経済政策を考える上で極めて重要な羅針盤となります。 これらに加え、現代では企業や資本のグローバル化、多国籍化に伴い、世界の経済問題を統合的に扱う「国際経済学」の重要性も増しています。 近年の情報技術の爆発的な進化は、経済学の研究手法を劇的に変えました。現代の経済学は、インターネットやスマートフォンを通じて蓄積される膨大な購買履歴や社会データ(ビッグデータ)を「AI(人工知能)」や統計学の手法を用いて解析する、最先端のデータサイエンスへと進化しています。かつては予測が難しかった人々の行動心理を読み解く「行動経済学」や、AIを駆使して市場の最適な取引ルールを設計する「マーケットデザイン」といった新領域も急速に発展しています。経済学は、激変するグローバル社会の課題をデータと理論で切り拓く、未来の社会イノベーションに直結した学問です。 学部・学科選びのヒント 経済学は、経済学部や経済学科をはじめとする「経済」の言葉がついた学部や学科で学ぶことができます。 中には、国の経済政策に力を入れて学ぶ「公共経済」や「財政」、現代の経済問題を考えることに力を入れて学ぶ「現代経済」、地域経済に力を入れて学ぶ「地域経済」、国際経済に力を入れて学ぶ「国際経済」というように、力を入れている分野の名称をつけた学科やコース、専攻を設けている大学もあります。 大学検索 経済学系の大学一覧を見る 目次:学問ナビ 学問ナビトップページ 学問ナビ系統索引(50音別)
「誰もが豊かで安定した生活を送れる社会を創るには、どうすればいいのか?」――この人類共通の問いに、富の生産・流通・分配という視点からアプローチするのが経済学です。
地球上の資源やエネルギーは限られています。それらをどのように組み合わせれば最も有効に活用できるか、そして、その結果生まれた富を社会へどう分配すれば、人々が意欲的に働くことができ、格差や貧困のない持続可能な社会が成り立つのかを追究することが、経済学の大きなテーマです。
歴史を振り返ると、物の生産や価格の決定を市場の自由に委ねることで経済を活性化させようとしたアダム・スミスや、国が計画的に生産と分配を管理することで貧富の差をなくそうとしたマルクスなど、さまざまな思想が提示されてきました。しかし、現実の経済は複雑であり、どちらか極端な理論だけでうまくいくものではありません。現代の多くの国々は、自由な市場経済を基本としつつも、国や中央銀行(日本の場合は日本銀行)が税制や金融政策を通じて景気をコントロールする仕組みをとっています。
経済学の研究アプローチは、伝統的に以下の3つの分野に大別されます。
理論経済学:
経済活動の基本的な仕組みを解き明かす分野です。消費者や企業という個別の視点から価格決定のメカニズムを追究する「ミクロ経済学」と、国全体の景気や雇用、物価の変動などを大きな視点で捉える「マクロ経済学」があります。さらに、実際の経済データを用いて理論を検証する「計量経済学」があります。
経済政策論:
理論に基づいて、政府や自治体が実行すべき具体的な政策をデザインする分野です。所得格差を是正するための税制(累進課税など)のあり方、金利や為替をコントロールする金融政策、デジタル通貨やFinTech(フィンテック)への対応、さらにはエネルギー・交通・都市開発など産業別の政策まで、多岐にわたる課題を扱います。
経済史・経済思想史:
過去の経済発展の歴史や、歴代の経済学者たちの思想を研究する分野です。現実の経済は理科の実験のように研究所で効果をテストすることができません。だからこそ、社会の多様な変化や人間の心理が複雑に絡み合った「歴史」に学ぶことが、現在の、そして未来の経済政策を考える上で極めて重要な羅針盤となります。
これらに加え、現代では企業や資本のグローバル化、多国籍化に伴い、世界の経済問題を統合的に扱う「国際経済学」の重要性も増しています。
近年の情報技術の爆発的な進化は、経済学の研究手法を劇的に変えました。現代の経済学は、インターネットやスマートフォンを通じて蓄積される膨大な購買履歴や社会データ(ビッグデータ)を「AI(人工知能)」や統計学の手法を用いて解析する、最先端のデータサイエンスへと進化しています。かつては予測が難しかった人々の行動心理を読み解く「行動経済学」や、AIを駆使して市場の最適な取引ルールを設計する「マーケットデザイン」といった新領域も急速に発展しています。経済学は、激変するグローバル社会の課題をデータと理論で切り拓く、未来の社会イノベーションに直結した学問です。