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閉校のお知らせ

 1977年度から南山中学校男子部・女子部に「帰国子女枠」を設け、1979年「海外帰国子女特別学級」設置、1981年度「国際部」設置、そして1993年度より「南山国際高等学校・中学校」として誕生した本校は、約三十年間にわたり多くの卒業生を輩出してまいりましたが、2023年3月31日をもって閉校し 帰国子女および外国人生徒教育の使命は南山学園がその教育理念を継承してまいります。
 長きにわたりご支援賜わりましたことを改めまして厚く御礼を申し上げます。
 なお、卒業生の証明書発行については、2023年4月より南山学園総務課にて発行 業務を行っています。
 証明書発行手続きは南山学園Webページ「南山国際高等学校証明書発行」のページをご確認の上、ご請求ください。

「同窓生の心の中に生き続ける母校―南山国際高等学校・中学校」

 1981年に名古屋市昭和区五軒家町の南山高中校男子部の一教室に「国際部」として誕生した南山国際高等学校・中学校(以下、南山国際校)は、42年にわたる教育活動の使命を終え、3月31日をもって閉校いたします。これまで、歴代の教職員、同窓生の方々、保護者の皆様のご貢献、豊田市をはじめ小島プレス工業株式会社の皆様と近隣の地域社会の方々のご支援とご理解によって、南山国際校はミッションスクールとしての使命を果たすことができました。心より感謝申し上げます。
 母国、母国語という言葉がありますが、今日ほど、「母校」(アルマ・マーテル)という言葉が懐かしさを帯びて響いてくる日はないと思います。南山国際校は母のように生徒たちの「いのち」をはぐくみ、そだて、そして社会へ送り出してきました。母の面影はいつまでもその子の中に宿ると言われますが、南山国際校の卒業生にとっても同様だと思います。
 昨日卒業式を終えた同窓生をはじめ多くの生徒たちが、このキャンパスで学びを共にし、ここを巣立ち、そして、現在多くの分野で活躍しています。実際の建物、キャンパスがその姿を消しても、ここで生きた教育活動が行われたという尊い事実は決して消滅することはありません。実際、南山国際校のスピリッツが時代を超え地域を超えて広がっているという嬉しい知らせがたびたびわたしたちにも届いています。
   「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」
(「コヘレトの言葉」3章1節)

 南山国際校は「計り知れない恵の時」を今日まで精一杯に生きてきました。この学び舎で得られた多くの出会いに感謝するとともに、新しい未来へ向けて出発する同窓生、支えてくださった教職員、保護者、そして南山国際校に関わってくださったすべての皆様の上に神の豊かな恵みがありますように、と祈ります。

南山学園理事長 市瀬英昭

            

「そして伝説へ・・・」

 この世に存在するもので未来永劫、続くものはありません。
いよいよ南山国際(以下、南国)の最期を迎えました。いりなかにあった国際部、豊田で始まった国際校を合わせた南国では、卒業生4,500(4,574)人以上、約40年の歴史に幕を下ろす時が来ました。
 「南国がなくなる」の報道後、すぐに「廃校」という表現が人々から出ましたが、南山学園は一貫して「閉校」という表現に終始しました。すでに活動を停止している中学校も「休校」ですし、今回の高校の活動停止と同時に「閉校」となります。なぜ「廃校」ではないのか!? それは、南山学園は南国で培った帰国子女・外国人子女教育の英知を今後も南山学園全体において継続、発展させるからに他なりません。
 南山学園最初の学校を築いた地(南山・みなみやま)を音読し、さらに中国、陝西 (せんせい) 省西安の南東にある山で、古来、詩によく詠まれた「終南山(しゅうなんざん)」の別名とも掛け合わせて生まれた「南山」。それこそ未来永劫続かんことを、と願いを込めて教育事業を始め、当時、どこも手をつけていなかった帰国子女のみを受け入れる学校を建設し、ここまで運営したことは日本教育界史上最大級の大英断であったと、諸先輩方の先見の明に改めて感服しております。

 「人間の尊厳のために」
 南山学園の教育理念ですが、そこに多大な労力、経済力が必要となる場合、実行するには強い信念(信仰)がなければできません。「一杯の水を飲ませる者は、必ずその報いを受ける(マルコ9:41)。」今まで南国の卒業生や関係者の輝く姿で、あり余る報いを受けてきました。
 「イエスは復活したのでキリストである」ことを信じるキリスト教において「死」は「復活する」ための必要条件と言えます。そして復活したものだけが未来永劫存在できるとも言えます。
 南国の閉校は、輝かしい将来の第一歩であると確信しております。

南山国際高等学校・中学校長 山田利彦